■カラムシ剥ぎ(本名初好さん)
初好さんは、近所の方のカラムシ畑を引き継いで今年から、栽培を始めた。
始めたといっても、本当に初めてカラムシ生産に就農したわけではない。
元々ご経験のあることである。「しばらくやってなかった」だけのこと。
昨日の夕方に刈取ったカラムシの束は、2束ほど。2抱えとでもいうか。量的には微妙であるが、片腕で抱えればちょうどくらいか。それが2つある。つまり両手分。
「1束(かかえ分)は百本ほどかい?」「それぐれはあっぺな」
わたしは、ひそかに128本が基準ではないかと適当な想像をした。
糸として、機織をして、布とする作業は、実は2進法の世界なのである。
大体100本は、2進数の世界では、2×2×2×2×2×2×2=128。
実技を知らないので、何かを説明しようとするときに、こういう小ざかしい知識を出してしまうことをわたしは反省する。
刈取ったカラムシは三尺八寸、この長さが作業場のレイアウトにも影響するのである。
三尺八寸は、この後の工程の苧挽き、原麻の乾燥、糸つくり、または小千谷への輸送の為に馬に乗せるための梱包にまで関わってくるのである。
この知見は、昨日の見学ツアーと博物館内の説明の学習の成果による。
水に漬けてある2束(かかえ)目のカラムシの束。
1束目のカラムシ剥ぎ。こちらは曲がりが多いのと不揃いが多い。
そのことは、わたしの発見ではなく、初好さんが説明してくれた。
一方向に弓なりになっているのはまだましである。
これがS字型に曲がるのもある。その直接の理由は風と雨のせいである。
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